大学で研究をしたり、趣味で絵を描いたりしていると、なんだか感覚や考え方が変になってくることがある。たとえば絵を描く時にありがちなんだけど、人は描けてもそれ以外のものが描けない、あるいは空間の中で共存させることができないという悩みがある。いろんな練習方法や技法があるけれど、ものとものの接点だけに注目したらどうかと考えるようになって、頭から離れなくなってしまった。だってそうじゃないか、床と椅子は椅子の脚の部分が接地しているから椅子になりえるのであってそれが空間じゃないのか、人の腰と椅子が接地するからこそ、座っているという動作が生まれるんじゃないのか。こんな考え方で絵を描くのも面白いかもしれない。上手くいくか分らないけどね。

で、そうしていると感覚がずれてきて、身の周りのものがネットワークにしか見えなくなってくる。家具や街の電灯、自転車、樹木、なんでも他のものと接地することで存在していて、リンクしているんだと、少しだけ嬉しくなった。